本人の情報でも提供制限がある
何人も、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、特定個人情報の提供をしてはならない。
マイナンバー法 第19条
主語は「何人も」です。自己を本人とする特定個人情報(自分自身のマイナンバー)であっても好き勝手に提供してはならないのです。
個人情報保護法の第三者提供のところを思い出してください。本人の同意があれば第三者提供は可能でしたね。しかし、特定個人情報(マイナンバーをその内容に含む個人情報)の提供は本人であっても法定された場合以外は禁止です。
厳格な制限なのだ、とご理解ください。
提供とは
それでは、「提供」とはなんでしょうか? ある団体・組織に特定個人情報を提供したのち、団体内での「利用」として共有が許される範囲はどこまでか、という問題です。
それに対する答えとしては「法的な人格を超える特定個人情報の移動が提供、法的な人格を超えない特定個人情報の移動は利用」と覚えてください。
例えば、営業部庶務課がマイナンバーの提供を受け、これを経理部に渡すのは法人内の移動なので提供ではなく利用です。
グループ会社でも他社は他社
企業グループ内の人事異動で子会社に転籍する場合、企業グループ内なので実感としては部署の異動と変わらないかもしれません。
しかし、これに伴い特定個人情報を子会社に知らせる行為は法的な人格を超える移動にほかなりませんから「提供」です。
フランチャイズ本部組織も他社
同様に、フランチャイズ加盟店が特定個人情報をフランチャイズ本部組織に提出する行為も、同じ看板を掲げて営業しているとはいえ、別法人ですからその特定個人情報の移動は「提供」ということになります。
市民課→教育委員会も提供
このケースも市民からすれば市の行政組織内の移動のように見えますが、法的には別人格ですから「提供」です。