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個人情報保護法の理解 017

個人データの第三者提供

出題ポイント

  • 第三者提供に該当するかどうかは法人格をまたいでいるかが基準になる
  • 本人の同意が不要となるのはおなじみの4つの例外の場合
  • 委託、事業承継、共同利用は第三者提供ではない

個人データの第三者提供には原則としてあらかじめ本人の同意を得る必要があります(個人情報保護法第23条第1項)。

例外はおなじみの4つ、

  • 法令に基づく場合、
  • 人の生命等の保護のために必要があって本人の同意を得ることが困難なとき、
  • 公衆衛生の向上又は児童の健全な育成の推進のために特に必要がある場合であって本人の同意を得ることが困難であるとき、
  • 国等が法令の定める事務を遂行することに協力する必要がある場合であって本人の同意を得ることにより当該事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき、

です。

個人データの第三者提供はすごく重要です。絶対に出題されます。1題だけではなく3題くらい出題されます。

第三者とは

第三者提供とは、法人格をこえて個人データを移動させることです。

したがって、営業部が取得した個人データを経理部が業務に用いることは個人データの利用であって第三者提供ではありません。

しかし、グループ会社間の移動となりますと親会社・子会社の関係とはいえ法人格は別ですから第三者提供に該当します。

また、フランチャイズの場合、加盟団体は看板こそ同じものを使いますが、本部組織と加盟団体はそれぞれ別法人になっていますので個人データの交換は第三者提供になります。

「第三者」から除外されているもの

個人情報保護法第23条第5項は、「第三者」の例外を3つ認めています。法人格をこえた個人データの移動であっても第三者提供にはありません。

例外1 業務委託

例えば、DM発送業務を外注するために宛先の住所、氏名を提供することが考えられます。

例外2 合併等による事業の承継

合併、分社化、事業譲渡による事業の承継に伴う個人データの移動は第三者提供に該当しません。

実務的にも問題になりうるのは合併等の事前調査・交渉段階での個人データの移動です。個人情報保護委員会のガイドラインによりますとこの場合も第三者提供にはならないとされています。ただし、交渉が不調に終わった場合の措置や、相手会社における安全管理措置等の必要な契約を締結しておくべきとしています。

例外3 共同利用

特定の者との間で共同して利用される個人データが当該特定の者に提供される場合も第三者提供ではありません。

ただし条件があります。

個人データの共同利用をするためには

  1. 共同利用する旨
  2. 共同利用される個人データの項目
  3. 共同利用する者の範囲
  4. 利用目的
  5. データの管理責任者の氏名又は名称

を本人に通知するか、本人が容易に知りうる状態におく必要があります。

また、4と5について変更するときはあらかじめ本人に通知し又は容易に知りうる状態におきなさい、と書いてあります(第23条第6項)。

ということは、逆に言えば2の「共同利用される個人データの項目」と3の「共同利用する者の範囲」は変更できない、ということになります。

この点が第41回試験で出題されていますのでご注意ください。

なお、共同利用のグループに属している会社に委託をする場合、委託なのか共同利用なのか、という問題があります。この場合は業務委託となります。


3 thoughts on “個人データの第三者提供

  1. 海波空風

    お世話になります。いよいよ17日まで、あと少しなのですがだんだんと訳が分から
    なくなって、混乱しだしています。

    下記の第46回試験問題について、・・・・以下は私の判断の根拠で、いずれも誤り
    と判断しましたが、問は正しいもの一つ選択を要求しており、その正解は「ア」という
    解答です。

    この件について解説をお願い申し上げます。

    個人情報保護士試験:問54
     特定個人情報の提供及び利用に関する以下のアからエまでの記述のうち、
    正しいものを一つ選びなさい。

    ア.甲社が乙社を吸収合併した場合、吸収される乙社が、その従業員等の
      個人番号を含む給与情報を  存続する甲社に提出することは、特定個人
      情報の提供に当たる。・・・・・第三者提供に適用しないので×

    イ.個人住民税の特別徴収のため、市町村長から給与支払者に対し、その従業
      員等の個人番号とともに特別徴収税額を通知することは、特定個人情報の
      利用に当たる。・・・・・別法人格間の移動のため「提供」となり×

    ウ.営業部に属する従業員等の特定個人情報を、営業部庶務課を通じ、給与所得
      の源泉徴収票を作成する目的で経理部に提出することは、特定個人情報の提供
      に当たる。・・・・同一法人内なので「利用」となり×

    エ.事業者が、源泉徴収票作成事務を含む給与事務を子会社に委託する場合、
      その子会社に対し、従業員等の個人番号を含む給与情報を提出することは、
      特定個人情報の利用に当たる。・・・・・「委託」にあたり×

    返信
    1. okada

      特定個人情報の提供に当たるかどうかと、それが許されるかどうかは別の問題です。

      この問題が聞いているのは、「提供」と「利用」の違いが分かっていますか?
      ということだけなんじゃないですかね。

      「提供」とは、(ご理解されている通り)「法的な人格を超える特定個人情報の移動」を
      いいます(「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン」p24)。

      甲社と乙社は、一緒になってしまうとはいえ、別の法人格を持っています。
      ですから、乙社が持っている特定個人情報を甲社に提出することは「提供」にあたります。
      よって、アは正しいということになります。

      ただ、マイナンバーの提供を全部やり直すのは大変です。
      また、乙社の負っている責任は甲社が引き継ぐわけですから、乙社から甲社への提供を許したために何か弊害が
      あるのかというとそんなこともありません。
      ですから、番号利用法の第19条第5号は合併に伴う特定個人情報の提供を許容しているわけです。
      (そうなんですけど、この問題はそこまで聞いていないんですね。)

      疑問は解決しましたでしょうか?

      返信
      1. 海波空風

        解説ありがとうございます。なにかヒッカケ問題みたいな気がします(笑)
        「甲社が乙社を吸収合併する場合、吸収される乙社が」という文であれば
        まだ、法人格が別だから「提供」にあたるなと分かるんですが…

        600点の8割以上取っても、課題Ⅰ・Ⅱ共240点以上ないと不合格になるので
        やっぱり課題Ⅰが弱いです。あと1~2問誤答を防げれば、なんとか240点は
        取れるんですが・・それだけにこういう問題は慎重にしないとダメですね。
        引続き過去問題に取り組んでいきたいと思います。
        ありがとうございました。

        返信

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