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個人情報保護法の理解 029

適用除外

適用除外

これまでみてきたように、個人情報取扱事業者にはさまざまな義務を課す規定があります。しかし、以下の者に対してはそれらの規定を課さないとしています。

  • 放送機関、新聞社、通信社その他の報道機関(報道を業として行う個人を含む
  • 著述を業として行う者
  • 大学その他の学術研究を目的とする機関若しくは団体又はそれらに属する者
  • 宗教団体
  • 政治団体

何か共通点があることにお気づきでしょうか?

これらはすべて憲法で保障された権利ですね。

表現の自由、学問の自由、宗教活動の自由、政治活動の自由です。

憲法に違反する法律は無効です。したがって、これらの適用除外規定がなかった場合、個人情報保護法は表現の自由を侵害しているから憲法違反である。よって、個人情報保護法は無効である。という主張がされたらどうでしょうか?混乱しますよね。

だからはじめから憲法上保障された権利との衝突をさけるために個人情報保護法は適用しませんよ、と宣言したんだなとご理解ください。

注意点(出題ポイント)

出題ポイント1 報道と著述は個人でも適用除外、他は団体のみ(あるいは団体に属している個人)適用除外

どのような行為が学術・研究になるのか、その線引きはとても難しいですよね。あらゆる行為が学問だ、研究だと言えなくもありません。

したがって個人による情報の収集はすべて「これは研究としてやってるのです」と言えば言えてしまいます。これを認めていたら個人情報保護法に大きな抜け穴ができてしまうので、大学や研究機関といった組織に属している場合のみ個人の学術・研究も適用除外としたのです。

宗教団体、政治団体も同様に個人は適用除外になりません。理由は同じです。あらゆる活動が宗教活動です、政治活動ですと主張しようとすればできてしまうからです。

これに対し、ルポライターの報道活動や著述家の執筆活動は行為自体で他の行為と線引きすることができますよね。だから個人も含むのです。

出題ポイント2 個人情報の利用目的も重要

それぞれ、報道のように供する目的、著述の用に供する目的、学術研究の用に供する目的、宗教活動(付随する活動を含む)の用に供する目的、政治活動(付随する活動を含む)の用に供する目的で個人情報を取り扱う場合のみ適用除外となります。

別に上記に挙げられている人たちを特権階級として扱いますよ、といっているわけではないのです。憲法上保障されている権利との衝突をさけるために個人情報保護法の適用をしないだけなのです。

出題ポイント3 努力義務はある

個人情報保護法の義務が課せられないとされている人たちにも個人データ又は匿名加工情報の安全管理措置をとり、苦情処理等の個人情報等の適正な取扱いを確保するために必要な措置を講じ、それらを公表することを努める努力義務は課せられています(第76条第3項)。

強制はしませんが、個人情報保護法を尊重はしてほしいということです。


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