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マイナンバー法の理解 001

マイナンバー制度の概要

出題ポイント

  • マイナンバー制度は社会インフラ
  • マイナンバーを取り扱ってよいのは特定個人情報利用事務実施者と特定個人情報関連事務実施者だけ
  • マイナンバーの利用は法律で定められた目的に限定

法律の正式名称は「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」

番号利用法とかマイナンバー法とか略されていますが、正式名称は「行政手続における~」です。

略称では文字通り略されてしまいますが、「行政手続」のための法律なんですね。この制度の性格を表していると思います。ここを「司法手続」と変えて出題されたことがありますのでご注意ください。

「個人番号」=「マイナンバー」

ところで、法律上の用語は「個人番号」ですが、「マイナンバー」という用語の方が通りがいいように思います。このブログでも法律を引用したりするときは「個人番号」という用語を使いますが、解説部分では「マイナンバー」という用語を使います。どちらも同じものです。また、「マイナンバー法」と略称を使用します。

制度の目的は3つ

  • 公平・公正な社会の実現(給付金などの不正受給の防止)
  • 国民の利便性の向上(面倒な行政手続が簡単に)
  • 行政の効率化(手続をムダなく正確に)

と説明されています。出題実績はありませんが、念のため。国民一人ひとりに番号を振って、行政機関ごとに保有しているデータを相互に照会できるようにすればムダもモレもなく行政手続が進むだろうという理屈です。

 個人情報はあくまで「分散管理」

マイナンバー制度は各行政機関が保有する個人情報を集めて巨大なデータベースを作って一元管理するというものではありません。

そうではなくて、各行政機関の保有するデータベースはそのままに、他機関のデータベースを参照する必要があるときは、マイナンバーをキーにして「情報提供ネットワークシステム」というものを介して相互に検索できるようにするだけです。

「分散管理」のしくみが維持されるということです。「分散管理」というキーワードは絶対におさえてください。頻出です。

各機関のデータベースは独立している
分散管理のイメージ

外国人にもマイナンバー、死者の番号の使い回しはしない

マイナンバーは住民票コードを変換して作ります。住民票のある人全員に番号が振られますので、外国人でも住民票があればマイナンバーが与えられます。

逆に言えば、日本人であっても海外に居住している人には住民票がありませんからマイナンバーは付番されません。

また、マイナンバーは引っ越しても、結婚等で姓が変わっても変わりません。

同じマイナンバーは2度と使いませんので、お亡くなりになった方のマイナンバーを他の人に使い回すということもしません。

平成27年9月に早くも改正、預貯金口座にマイナンバー。

この法律は平成25年5月に成立しました。平成27年10月に番号(マイナンバー)の通知を開始、平成28年の1月に制度運用が開始されました。

見逃していけないのは、番号通知の直前である平成27年9月に改正が入っているということです。本格運用もまだされていないのに、です。

具体的にはどこが変わったのでしょうか。いくつかあるのですが、最も重要なのは利用目的の拡大です。平成30年を目処に預貯金の口座へ個人番号を付すこととなったのです。

そんなことをしたら資産状態をすべて国に把握されてしまうのではないかと心配になりますが、利用目的はあくまで税務行政のため、です。

税法の改正によって、銀行はマイナンバーをキーに検索できる状態で預貯金の状態を管理できる体制を整備する義務を負うことになりました。マイナンバー法もこれに合わせ、預貯金口座の管理にマイナンバーを使えるように改正されたという訳です。

脱税はとってもやりにくくなるでしょうが、税務と無関係の目的でマイナンバーを利用するとは(今のところ)していません。

利用範囲は3分野以外に拡大される可能性あり

マイナンバー制度導入当初、マイナンバーは社会保障制度、税制、災害対策で利用するんですよ、という説明がされていました。

しかし、第3条第2項にご注目ください。

個人番号及び法人番号の利用に関する施策の推進は、個人情報の保護に十分配慮しつつ、行政運営の効率化を通じた国民の利便性の向上に資することを旨として、社会保障制度、税制及び災害対策に関する分野における利用の促進を図るとともに、他の行政分野及び行政分野以外の国民の利便性の向上に資する分野における利用の可能性を考慮して行わなければならない。

となっています。3分野以外どころか、民間部門でのマイナンバー利用も最初から視野に入っているのです。

マイナンバーカードを東京オリンピックの入場券として利用しよう、なんてアイディアもあるみたいですよ。

ただ、後で何度も説明することになりますが、マイナンバーの利用はマイナンバー法に定められた用途に限定されていて、目的外利用は厳禁です。実際に利用を開始するためには法律改正が必要で、ここで言っているのはあくまで3分野以外での利用も検討しましょう、ということです。

マイナンバー法の「キモ」

  1. マイナンバー制度は社会インフラ
  2. マイナンバーを取り扱ってよいのは特定個人情報利用事務実施者と特定個人情報関連事務実施者だけ
  3. マイナンバーの利用は法律で定められた目的に限定

個人情報保護法との違い

個人情報保護法とマイナンバー法の関係は次講でくわしく説明します。

ここでは、マイナンバー制度は個人情報を利用する社会基盤だ、という点を抑えておいてください。

社会基盤だから個人の意思でマイナンバーの利用法を自由に決定してはいけない、という制約が生じます。

マイナンバーを取り扱える人が限定されている

マイナンバーを取り扱うことが許されているのは、「特定個人情報利用事務実施者」と「特定個人情報関連事務実施者」だけです。

前者は、マイナンバーを利用して個人情報の照会・回答をする人のことです。つまりは行政機関のことです。

後者は、マイナンバーを行政機関に届け出る事務を行なう人のことです。具体的には社会保険や税務関係の届出をする企業の経理・総務担当者などです。

(試験には出ないと思いますが)「特定個人情報利用事務実施者」と「特定個人情報関連事務実施者」をひっくるめて「特定個人情報利用事務実施者等」と呼びます。とても紛らわしくて注意深く法文を読まないといけないんですね。

マイナンバーは法律で定められた目的のみに利用できる

マイナンバーの利用はマイナンバー法に定められた目的のために厳格に限定されています。

個人の意思で目的外利用を許すということもできません。利用範囲の拡大も検討されていますが、そのためには法律を改正する必要があります。

正答率をあげるために

以上3点はマイナンバー法のキモ(原則)です。

この試験は知っていれば得点できるし、知らなければ得点できない、という出題が多いので見たことのない問題がもし出たら基本的には失点を覚悟するしかないのですが、一応上記の原則に立ち返って問題を検討してみてください。単なるあてずっぽよりは正答率が上がると思います。


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